苧環の花

編成
箏、十七絃
歌詞

眩しい春の日 
母が掻き抱いた中に咲いた 
五つの花びら そっと開き

うつむきかげんで
少し自信がないみたいだけど
うつつと夢に仲良く遊んで

きみが生まれた日 咲いた花
「この花はね 糸巻きなんだよ」
あなたの笑顔が輝いてる 春の庭

夜になれば澄み渡る世界

ふと顔を上げれば
ほら 見えるでしょう?
たくさんの星が

…ねえごめんね
言葉がうまく出なくて
温かさも失ってゆく
絡まるその糸

萎れた細い指を見てる
ひとり立ち尽くした押花おしばなの栞

涙そそぐ如雨露じょうろ
つちを濡らし

こぼれ種は
真夏の雷
吹雪を耐えて
季節ときを越えた

やがて誰もが
別れみちに囚われて
明日にさえ縛られて
ただ くるくる廻るだけなのかな?

それでもその胸に
ひとつの忘れられないとき
宿す根を張り 

ありがとう
怖くてたまらないときも
心の奥に映る景色が
光を放ち 言葉になる
だからぼくは…

いま心の糸
こっそり星空の裾に刺し
明日になれば懐かしい
温かい光さすところへ 

まごころを紡いだ道標辿り
うたをささげる苧環の花

春には
いつかあなたと見た
あの花々に会えるから
いつでもそこにあるものたち

輝く苧環の絃から
織りなされた歌が
誰かを包みますように
寒さに負けない調べ

呼吸いきをとめたら
ほら

硝子細工の見えない糸が
どこまでも行く先を導く
苧環の花

楽曲解説
作曲ウラ話

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